作品紹介「これでいいんだよね 先生」
今回はオフセットにてご依頼いただきました、ymh様の作品をご紹介します。

<表紙>ボス_雪_160(4C)
<箔>ビアゴールド/彩光腐食 SP-0002
<本文>オペラクリームマックス_73
視覚で捉えられるスタイリッシュさ、そして触れたときの感触までも楽しめる装丁となっています。
タイトルを飾る彩光腐食と、エンボス紙との組み合わせにも注目ください。

表紙で使用いただきました「ボス_雪」は、まるで凹凸の強い水彩紙のような特徴があり、マットな面での色彩はアナログでの着彩感を思わせます。背景のベースに彩られた赤も、しっとり落ち着いた、あたたかみある色味に仕上がっています。
また「ボス_雪」は不規則でエンボスが深い特殊紙のため、印刷面に微かな立体感を生み出す特徴も。
そして箔のビアゴールドに刻まれた彩光腐食「SP-0002」は、「ボス_雪」に組み合わさることで味わいあるテクスチャになっています。黄金の上に装飾の陰影が、独特な紙質と交じって瞬きます。
ビアゴールドのタイトル部分から感じる、リアルな手触りをお届けできないのが少々残念です。

陰陽あるキャラクターのコントラストは、表層を刻むエンボスを際立たせています。
本当に絵の具で着彩したような、イラストの陰影にあるグラデーションも素敵ですね。
影から覗く強いキャラクターの視線にも、思わず釘付けになります。
また、ビアゴールドの輝きが眩しい表側だけでなく、表紙を飾る裏のタイトルにも目を惹かれます。印刷の色味だけで感じられる素材感があり。全体を通し、こだわりの詰まったデザインになっています。

表紙の「ボス_雪」にあるエンボス感からはじまり、本文の「オペラクリームマックス」の紙質へと指を滑らせる感覚は、本編への没入感を誘う為のトリガーにもなっているのではと感じます。
そしてオペラの紙上に描かれる、濃淡が美しいキャラクターたちの物語。
コマ割りから細部に至るまで、とても惹き込まれる構成になっていると感じます。
読者はその世界観に没頭し、時間を忘れ、ただ夢中で読み耽ってしまうことでしょう。