L O A D I N G
2025年9月29日
インタビュー

MANNEQUIN

【COMITIA152】Mika Pikazo 様


「この時代を、衣着れ」


社会に翻弄される少女を描く、Mika Pikazo様によるオリジナルイラスト集。


「ありのままの自分」では、社会に埋もれてしまいがちな人々へ向けて
「あなたは勇敢だ、大丈夫だ」と、ページを捲るたびに語りかけてくれます。


【装丁】

OKマットポスト_220K/マグマセレクト(シルバー)/マットコート紙_135k


Mika Pikazo様らしさが存分に表れた、鮮烈な色彩のイラストにクリアPPを加工を施しております。


タイトル部分には、マグマセレクト(シルバー)箔を贅沢に使用。
マグマセレクト(シルバー)は、見る角度によって色合いが変化するホログラム箔で、
こちらを採用することによって「抑圧された世界の中でも、何色にもなれる少女」を印象づけています。


正方形の画面に閉じ込められた少女の《マネキン》が、静かにこちらを見据えている表紙は、
まさに本作のテーマを象徴しています。

SNS、駅前の大型広告でも出会う機会が多い Mika Pikazo様のイラストですが、本作のように特寸の冊子スケールで描かれたイラストじっくりと眺めると、また異なる趣を感じ取ることができます。

本作は、単にページにイラストを配置するのではなく、見開き構成を活かすことで、
「本を開く」という行為そのものを体験として演出しています。

前半に並ぶ「鮮やかさを纏う少女たち」の姿と、
後半で全身を使って痛みと個の存在を訴える「傷を抱えた少女」との対比。
その構成は美しく、甘美で、Mika Pikazo様が「描きたい世界」を凝縮した一冊に仕上がっています。

衝動的な生のエネルギーを、強く感じるイラストと言葉の数々に
読者はきっと、勇気づけられることでしょう。

★ STARBOOKS Asks the Artist

Q.改めてにはなりますが、簡単な自己紹介をお願いします。
イラストレーターとして活動しております。また、展示会やイベントのディレクターなども近年しております。
Q.参加の動機や、コミティアならではの魅力、頒布までの経緯などお聞かせください。
今回コミティアに参加したいと思ったキッカケは、自分自身の描いてみたい題材や要素をライトにアウトプットする形で本を作りたいと思ったからです。
商業で活動していると、作品だけでなく関わるコンテンツやスタッフの方々、見てくださる皆さんに届ける事を意識しながら作っていきますが、コミティアのような場所は自分が自分のために描きたい表現を描く、ということが気軽に実現できる環境だと思っております。
Q.制作で苦労した点や楽しめた点、紙・装丁・デザイン面でのこだわりなども、ぜひ。
この作品の見どころは、前半のイラストと後半のイラストで表現しているものがそれぞれ違う点です。
前半はファッションを意識した女の子たちが登場しますが、後半に出てくる1人の少女は、消費社会に生きる女の子が苦しみながらも羽ばたくお話です。
後半に出てくる少女は、のちに前半のイラストに通づる、美を求める存在になっていきます。

装丁デザインは、PP加工を貼りファッション雑誌のようなつるつるとした手触りを意識し、ロゴデザインの部分は箔押しのマグマセレクト(シルバー)を使用し、女の子のキラキラとドロドロ感を表現したいと思いました。

Q.スターブックスをお選びいただいた理由をお聞かせください。
スターブックスさんは何年もずっとお世話になっている、本当にクオリティの高い本を作ってくださる会社さんです。
同人イベントでも、展示会の図録を作る際もご相談して、本が出来上がるたびに「素敵な本が出来上がった…!」と何度も読み返しています。
Q.色使いや設定の工夫、制作時に特にワクワクしたポイントなどを教えてください。
今回の本を作るにあたって、とにかく意識したのは「小さく作ること」そして「自分のイメージする表現から脱すること」でした。
展示会などでは人間のサイズほどあるキャンバスでいつも描くので、今回はA4やA3サイズ。
線もドライブをかけて、緻密な完成度ではなく、気持ちを乗せるように勢いで描いていく。ある意味では大きく完成度の高い絵をしばらく描いてきた自分にとって、力を抜く、という試行錯誤でした。
Q.「本にする」ことと「Webで公開する」ことの違いや、それぞれの良さについて感じていることをお聞かせください。
本にするということは、起承転結がつく、という事だと思っております。
ネットは、いろいろな情報のなかで自分の絵がある、波に乗っている感覚ですが、本は、その世界観に向き合って、ページをめくりながら楽しむ。ネットはエモーショナルなものをそのまま投げる場所で、本は一つのテーマにピリオドを付ける場所…と考えています。
Q.ファンの方、あるいは今後イベントに参加したい方へのメッセージをぜひお願いします。
これからコミティアの参加を考えている方や、本を作ってみたいと考えている方へ
気軽に、日々良かったものや嬉しかったものを、日記をつけるような気持ちで、作ってまとめてみてください。
作品を作っていると「もっとこう作れたな」とか、「ここ満足にできた!」とか、そういったものが積み重なっていって、あなたの好きなものがきっと募って嬉しいものになるはず。
なにも作るもの決めてないけど、とりあえず参加してみる!も素敵です。

あなたの作ったものを、好きな人がどこかにきっといます。