【初めての方にも】データ作成のキホン
STARBOOKSをご愛顧いただきましてありがとうございます。
弊社のDTPオペレーターが原稿データをチェックしていると、初めて同人誌を作る方や、そもそもあまりデータ作業に慣れていない方が多く見受けられます。
今回は、そのような方がもう少しスムーズにデータを作成できるようお手伝いができたら……という思いで、記事を書かせていただきます。
まだまだ原稿作成に慣れていない方はもちろん、もう何度も作ったことあるよ! という方も初心を思い出して見ていただけると幸いです。
目次
完全データとは
STARBOOKSは完全データ制です。>>入稿マニュアル#完全データ制
「完全データ制です」とは、サイト上の至る所に書いてありますが、そもそも完全データって何かご存知でしょうか?
完全データとは:
× 電子データで作られた原稿データ
○ このまま印刷・製本して大丈夫な原稿データ
完全データとは、提出原稿として問題のないデータのことです。
STARBOOKSでは校正を行なっておらず、基本的にはお客様に提出していただいたデータをそのまま印刷に回せる形へ変換し、作業を進めております。
STARBOOKSで行っているデータチェックというのは、不備探しや校正ではなく、データを印刷機に出力できるかどうかのチェックになります。
その過程でスタッフが発見できた不備に関しては、気付ける範囲でお客様にご連絡を申し上げております。
しかしながら、繁忙期や印刷機の状況によっては納期を優先することもございますし、差し替えは乱丁等の原因となりますため、完全データでの提出を心がけていただくことをお願い申し上げます。
次のセクションからは、不備の連絡が多い内容をご説明していきますので、データ制作の際の参考にしていただければと存じます。
塗り足し・字切れ
STARBOOKSで一番多い不備は塗り足し・字切れに関することです。
そもそも「塗り足し」って何でしょうか。
塗り足しとは:
印刷をきれいに仕上げるために、出来上がりサイズより天地左右3mm以上大きめに必要な部分のこと。
では、塗り足しがないとなぜきれいに仕上がらないのでしょうか?
それは製本がアナログ作業だからです。
実際に製本をするとなると、どうしても「ずれ」が生じることがあります。
きれいな仕上がりのために、原稿に塗り足しをつけていただくようお願いいたします。
ただし、端まで絵柄がないものに関しては、塗り足しはなくても大丈夫です。
また、出来上がりサイズより3mm以上大きく作るということは、内側も切れてしまう可能性があるということです。
出来上がりサイズの内側(5mm程度)には、切れてはいけない大事な要素は配置しないようにしましょう。
Tips!
・ページ端まである絵や塗り、枠などをきれいに仕上げたいときは、塗り足しをつけましょう。
・タチキリ線周辺(5mmほど)には、切れて困るような絵やテキストは配置しないようにしてください。
・塗り足しは、ページ内の絵柄やベタに続くものにしてください。
これは漫画やイラストだけでなく、背景や飾り枠、罫線などでも同じです。
また、外にずれるときがある、ということは、内側にもずれるときがあります。
塗り足し部分はもちろん、ページ内のタチキリ線付近にも、切れては困るものは配置しないようにしましょう。
ノドの部分
ノドは本を綴じる側のこと。反対にページをめくる側のことを小口と言います。
よくある不備連絡:
「ノドに入り込むセリフがある」「ノドの余白が狭い」
なぜ、このノドの部分を気をつけなければならないのでしょうか。
それは背部分に糊付けをするので、ノド側の断ち切り線に近い文字や絵柄が本の内側に入りこんでしまうためです。
「本を傾けないと顔が見えない」「強く開かないとセリフが読めない」
「読みにくくて、せっかくのお話が頭に入ってこない!」
なんてことのないように、ノドを意識したデータ作成が本づくりの第一歩です。
Tips!
・原稿に文章を流し込む前に余白を考える。
・漫画の基準枠を知る。
STARBOOKSではノド側の断ち切り線から最低でも10mmより内側にセリフや文章を収めていただくことを推奨しております。
また、100ページを超える場合には15mm〜20mm空けていただくと安全です。
上の図は左右のページ、どちらもノド側の余白を広くとっている安全なデータです。
初めて作る時は他の方に余白の設定を聞いてみたり、お手元にある小説の余白を測ってみるのも良いかもしれません。
次に漫画の場合です。
漫画の基準枠はご存知でしょうか。他にも基本枠、内枠などの名前で呼ばれています。
原稿用紙の断ち切り線より少し内側に枠がありますね。この枠のことです。
さっそく基準枠を意識してセリフや絵を入れてみましょう。
このデータなら安心! 大切なセリフや絵などが本の内側に入ってしまうことがありません。
商業のコミックスを開いてみましょう。ページ端までイラストがあるコマでも、セリフやメインのキャラクター、キャラクターの表情など重要な情報は基準枠の中に収まっていることが殆どです。
STARBOOKSのテンプレートでは余白や基準枠を設けていませんが、本になった時の配置を意識して余白の作成やイラスト、文字の配置してみてはいかがでしょうか。
カラーモード
モノクロ印刷でも、カラーモードを意識しなければならないことはご存知でしょうか。
RGBモードやCMYKモードはなんとなく聞いたことがある、という方は多いと思います。
ですが、モノクロ印刷の際にRGBモードやCMYKモードでご入稿されると、大変データが重くなってしまいまし、こちらでグレースケールモードに変換いたします際に、若干グレーの濃さが変わる可能性がございます。
なのでモノクロ印刷の原稿につきましては、グレースケールモード・モノクロ二階調モードでのご入稿をお願いいたします。
(グレーの塗りなどを含む場合は、グレースケールモードをご利用ください)
解像度
カラー印刷・モノクロ印刷にそれぞれ適した解像度がございます。
カラー印刷の場合は350dpi、モノクロ印刷の場合は600dpiを推奨しております。
なお、元々web用に描いていて解像度が低い、使用しているアプリの解像度が推奨解像度まで対応していない、など推奨解像度に満たない場合、 解像度の低いデータの解像度を上げても画質は変わらないため、やや粗く出力される可能性を了承の上、解像度を変えずにお送りください。
その際は、備考欄にその旨をお書き添えいただくようお願いいたします。
(引き延ばさずに収録する、モノクロイラストはカラー印刷をお選びいただくなどもご検討ください)
「アイビスペイント」はサイズの都合上350dpiでのご作成となりますため、グレーの塗りでデータをご作成くださいませ。
ファイル名
STARBOOKSでは、データの管理はファイル名によって行なっております!
オペレーターは最新の注意を払ってデータチェックを行なっていますが、乱丁の原因となりますので、ファイル名に関しては必ず以下を守ってご入稿いただけますよう、お願いいたします。
①ファイル名・フォルダ名は、「半角英数」と「_(アンダーバー)」のみ使用
○「hyoushi.psd」「honbun.pdf」
×「表紙.psd」「本文01.psd」「本文02.psd」
ファイル名にページ順(通し番号)をつける
◯「01.psd」「02.psd」…「32.psd」
×「tobira.psd」「honbun.pdf」…「okuzuke.psd」
※見開き・複数ページのPDFも下記を参考にページ数をご記載ください。
見開き「honbun02_03.psd」/複数PDF「003.psd」「004_168.pdf(165ページ分)」
②数字は桁数を合わせる
◯「001.psd」「002.psd」…「100.psd」
×「1.psd」「2.psd」…「100.psd」
③モノクロとカラー混在する場合は、ファイル名で判別できるようにする
◯「06_mono.psd」「07_color.psd」「08_color.psd」「09_mono.psd」
◯「honbun.pdf」(入稿時のメッセージ「7、8ページがカラー」)とのお知らせでも可。
④命名方式は統一する
◯「01_honbun.psd」「02_honbun.psd」「03_honbun.psd」「04_honbun.psd」
×「honbun01.psd」「body02.psd」「body03.psd」「honbun04.psd」
ファイル名は半角英数字「_(アンダーバー)」以外(日本語や「&」「#」)を使用すると、文字化けや解凍が出来ない原因となります。
フォルダが解凍できない場合はご入稿データを受領出来かねますため、ご注意ください。
ご自身でわかりやすくするために「kuchie」「sashie」などの文字を入れる際は、必ず先頭に「ページ順」をつけてください。
フォルダに入れた時に「名前順」に並べ替えて、ページ順が入れ替わらないか確認しましょう。